短編作家として覚醒しつつある、管理人・書い人だよ。
今回は自分が実際に書いて感じた短編小説の書き方や、長編小説の違いなどについて解説していく。
短編が書きたいけど書けない人や、「自分は短編に向いてそう」とか、「長編書くよりまずは短編からのほうが楽そう」とか思っている人におすすめの記事になる。
Contents
前提 ほとんどのライトノベル作家は長編作家
短編ラノベ作家を(一応)目指している自分からするとあんまりよろしくない話なのだけど、事実だから書いておく。
ラノベ作家のほぼ全員は長編作家で、『キノの旅』などで有名な短編の名手、時雨沢恵一さんなども普通に長編小説を書いている(アリソン、一つの大陸の物語シリーズ、GGO(ガンゲイル・オンラインなど))。
書けてさえしまえば長編小説の方が売れるというか、短編で売れた事例(データ)が少ないので、編集や出版社も長編を描いてほしいという思いがあるのかもしれない。
前提2 大量に短編作品が書ければ、新人賞に有利
短編部門があるラノベの新人賞は少ないのだが、短編で新人賞を受賞する人はたまに出る。
短編は長編より短い期間で完成させられる場合がほとんどであり(長編を書くことより時間がかかるようなら、少なくともその短編は諦めた方が良い)、量産がしやすい。
ただ、今回はまず1作を書き上げる方法について書いていこうと思う。
短編小説の文字数・かかる時間
例えば、15~30DP(電撃ページ。電撃文庫の様式、見開きで数えたページ)が電撃小説大賞・短編部門の募集要項になる。
15DPは余白の多さにもよるが、だいたい1万字強で、今回はこのあたりを目指すことにする。
つまり、1日に3000文字ちょっとが書ければ3日で終わることになる。
自分(書い人)は1時間/1000字くらいの執筆速度なのでだいたい10時間かかる。
不慣れな人はもっとかかるだろうが、別に自分が極端に速筆な人でもなんでもないので参考程度にしてほしい。
10時間、といってもこれにはネタ出し・プロット(話の骨格のこと)の構築、アイデアが一旦尽きた時の休憩時間などは含まれていないので、実際には数日以上に分けて書いていくほうが良い。
プロットは必要か?
プロットはあったほうが便利だが、自分はほぼ組まない。
自分は執筆時に起きる予想外の出来事を楽しんでいるので、プロットはほぼ書かない。
ただ、しっかりとしたプロットがあったほうが軸がブレずに書くことができるし、なにより執筆に迷いがなくなる。
最初から最後まプロットがあれば、アイデア(ネタ)切れの心配もないだろう。
自分はその場の直感(という名の当てずっぽう)を信じ、とりあえず書く感じ。
プロットを真剣(綿密)に書く場合は本文の執筆時間と同じくらい(1日~数日程度)の時間をあてた方が良いと思う。
適正なアイデアを出力しよう
ここでいう『適正なアイデア』というのは15~30DPを書くのに必要な(執筆アイデアの)情報量のことだ。
基本的な情報はそこまで多くなくても、いや非常に少なくてもなんとかなる。
逆にあまりに設定・情報量が多い作品は短編には向かない。
ただし上手く書けばそれなりに設定があっても(読めるものが)書けるので、その限界を見極めるのは重要になる。
キャラクターは簡素に書く!
かなり重要なのが、キャラクターの扱いだと思う。
あんまりキャラに思い入れを持ちすぎる人は、短編書きには向かないのかもしれない。
逆にキャラを、作品を円滑に進めるための道具(言い方は悪いが)として認識できる作家は短編作家に特に向いていると思える。
一気に書き上げる(短距離走的に書く)
長編執筆がマラソンなら、短編執筆は短距離走だ。
綿密すぎる計画は立てずに(プロットは別)、一気に書き上げてしまった方が良い。
執筆期間は数日~10日程度。
他の仕事などで忙しいようなら2週間を目安に書いてしまうのが良いだろう。
書き終えたあとは休み、次の執筆に備える形になる。
このように、編執筆よりは休息を取りやすいし、やるべきときにはやるので仕事した感もけっこうある。
まとめ 短編は新人賞を目指すのにそこそこ向いている
長編作家に向いていて、毎日小説を書いていても苦じゃないという人なら別だし、そういう人は一般的な形で非常にデビューしやすいと思う(応援しています)。
ただ、短編小説は一気に書き上げてしまえばとりあえず休んだりするのも、次の作品に取り掛かるのも非常に簡単だ。
「正直、毎日は書いてられないな……」とか「副業レベルで頑張りたい」とか「短編の方がぶっちゃけ向いている」というそこまで作家意識の高くないか、長編が難しい人にはやはり短編をおすすめしたい。
短編は1年で、調子が良ければ10本以上書き上げられるだろうし、目指したての人でも5本は目指せる。
どうしても向き不向きはあるので、長編の方が向いているというのであればやはり素直に長編を書くべきだろう。
短編書きは少数派だが、これから増えてくれると嬉しいな。
以上!